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◆BAKA本第3弾、やはりエロメイン(爆)オフ本にするにはちょっと…な内容の弾けた本です…(笑)
今回もちょっとご注意。ディーノ猫化本です。見た目ばかりか、中身も半猫化。
にゃー喘ぎとかもしてますので、ご注意くださいー。

※通販ではおまけですが、こちらの本も申込Noをご記入ください。



<文章一部抜粋>

「ねぇ、この間の借り今日返してくれない?」

ホテルの部屋で食事をしていた時、恭弥はおもむろにそう切り出した。
最後のデザートのメロンを頬張っていたディーノは、ごくん…とそのままでは大き目の塊を飲み込む。
喉に引っ掛かるような感触に、慌てて残っていたワインを流し込んだ。
すでに食事を終えていた恭弥はそれを眺めながらディーノの返答を待っている。

「唐突だな…、この間って先月に情報を流して貰ったやつの事だろ?」
「そう、借りは後で返すって言ったよね。まだだったから」

少し落ち着いてから切り出すと、予想は当たったらしく恭弥は素直に頷いた。
先月、マフィア間で少しいざこざがあった時に恭弥に手助けして貰った時の事だ。
巧妙に動向を隠していた相手に難航していた際、恭弥の財団組織ネットワークで探って貰って早期の解決ができた。
暫く何も言わなかったから、もう忘れたかなー…、今回はもしかして無償?とか淡い期待をしていたが。ディーノですら忘れた頃に言ってくるとは。

「覚えてたのかよ、すっかり忘れてた」
「僕は一度作った借りは絶対に忘れないよ。ある物が出来るまで待ってたんだ」
「そうだよなー、お前はそう言う奴だよな…って、ある物?」

優雅に日本茶を啜りながら(ちなみにここはイタリアのホテルなので特別用意させた物だ)淡々と答えていた恭弥に、ディーノは訝しげに問い掛けた。
ちらりと視線だけでそれを見て、「うん」と短く頷く。

恭弥は湯飲みを置いてスーツのポケットを探り、小さな瓶を取り出した。中には鮮やかなオレンジの錠剤が入っている。
見るからに怪しげな薬に、ディーノの眉は寄せられ顔が顰められて行く。

「これを飲めって事だろうが…、あんまり怪しい物は承諾できないぜ?」
「大丈夫、後の副作用とかは無い。これは赤ん坊に言って作って貰ったものだから、保障は彼がする」
「リボーンが?…借りを作るのが嫌いなのに良く頼んだなぁ…」
「効果を考えれば安いものだよ。良く作れたとも思うけどね…、ま…特殊なものは得意なんだろう」

小瓶を手に取り中の錠剤をくるくると回していたディーノは未だ晴れない顔をしていたが、当然の事だろう。
いくら後に影響がないと言っても、リボーンが作った物となれば効果は間違いない。
恭弥が持ってくる物だ、どうせろくでも無い事に決まってる。そんな物を喜んで受け取れるはずもない。

しかし、借りは借りだ。あの時だって恭弥の事だから自分に無理難題を吹っ掛けてくるだろうと思っていた。
覚悟済みなのだから、この場だけで返せるのならまだ良いかとも思う。

「効果は教えてくれないのか?」
「飲んでからのお楽しみだね。…ま、すぐにわかるよ」

意を決して蓋を開けて一粒指に取る。端に置かれていたグラスの水を持ってから伺うように聞いてみるも、やはり恭弥は緩く笑むだけで答えなかった。
もったいぶる所あるよなー…、などと思いながらディーノはそれを口に含んで、多めの水で飲み込んだ。大粒の薬が喉に当たるが先ほどのメロンよりは余程小さい。

再度グラスに口を着けて一口飲み完全に喉を通すと、恭弥が横に歩いて来て手を取られた。
引っ張られるままに着いて行く先はベッドのようだ。
これはやはり…、媚薬とかそーゆう系の物かな…?と訝しがっていると何だかお尻の辺りがムズムズとし始めてきた。

「んん…?何だ?」
「さすが、効果が早いね…、すぐに生えるかな」
「…ん?生えるって?」

促されるままに先にベッドに上がりつつも、何だかお尻と、あとは頭の辺りの違和感が徐々に大きくなってくる。
ただ、別に不快感を感じるわけでなく。何となく痒いような擽ったいような…妙な感覚だった。
生えるって何だ…?と首を傾げていると、唐突に体内で何かが変化した。言葉では言えない微妙な感覚が弾けた時、じっと見つめていた恭弥が瞠目する。

「ん、ん…?何か…、窮屈…」

驚いている様子が何故かはわからないが、緩く履いていたカーゴパンツの臀部辺りがどうした事か気持ち悪い。
何となく腰をもじもじしていると、恭弥が「あぁ…」と言って手を伸ばして来た。そしてあろう事か、ビリビリ…と布が破ける音がする。

「んな!…何してるんだよ、お前ー!」

それが己のズボンが破けた音だと悟れば抗議に腕を掴むが「もう窮屈じゃないだろ?」と言われると、そう言えば開放感を感じていて。
もぞもぞしていた物が外に出て緩く振られて居た。

(…ん?振る?)

思った事に首を傾げて肩越しに後ろを見やり何となくその部分を見ると、金色のふさふさした物体がゆっくりと揺れていた。
それが尻尾だと認識するのに数秒かかってから「えぇぇーっ」と奇声を発する。

「なんだこれっ…尻尾ぉ!?」
「ちゃんと耳も付いてるよ。ふふ…、思った通り似合うね、猫耳と尻尾」

楽しげにそう言って頭を撫でてくる手に、言われる通りに何かの感触が当たる。そんな所には自分の髪しかなかったはずなのに。
ば…っと頭に手をやると、確かにふさふさした三角の耳らしきものがあるようだ。

「猫化…する薬?」
「当たり。…でも半分だけどね、髪と同じような性質の物が生えるって言ったけど、本当に金色でふさふさ…、あなたは長毛種だな」

やけに機嫌の良さそうな声で言うと、恭弥は引き続き手を伸ばし頭と共に耳の付け根を撫でてきた。
何となく気持ちが良く蕩ける感覚が満ちてきて、無意識に頭を擦り付けてしまう。

(また…マニアックな物を持ってきたな…)

恋人として付き合い始めて早5年。今までにも色々な事はされて来たが、今度はこれか…、と呆れながらも優しげに撫でる手が心地良過ぎて咎める気になれなかった。
恐らく微妙に猫化している所為だろう、ぐるぐると喉が鳴ってしまいそうだ。

どうせただ撫でているだけでは終わらないのだろうが、このくらいなら許容範囲かな…と、ディーノは思う。
恥ずかしい女装とかプレイに比べれば、耳と尻尾程度可愛いものだ。しかも何気に恭弥の手が優しい気がする。
(そう言えば…、小動物系は好きなんだっけ…)

耳と尻尾が生えただけでは図体は変わってないから小動物とは言えないが。
毛並み的なものを撫でているのは気に入ったのだろう。何度もディーノの頭と耳を撫でては、ついでに尻尾も優しく触れる。
薬の効果もあるのかも知れないが、穏やかな触れ方に心が暖かくなってきて。こんなお返しだったらお安い御用かもな…と軽く思っていた。

頭を擦り付けながらだんだんと力が抜けて身体がずり下がっていき、ベッドに座る恭弥の膝に、ぽて…と頭を乗せる。
怒られるかな?と薄目で様子を伺うと、滅多に見せない柔らかい笑みを浮かべて撫で続けてくれて。思わず頬が熱くなりそうだった。