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◆エロメイン(爆)の短編集No2。またまた3本です。カップルとして出来上がってる設定です。
今回はちょっとだけ抵抗しつつ、結局は好き好きな感じで恥じらいがない…気が(笑)
全てやっぱり甘ラブ本です。今回めちゃくちゃ甘い気がします(笑)
★Spray(現代)
階段から転げ落ちたディーノの下敷きになり、恭弥が怪我をしてしまう。
その責任に病院での世話を命じられ…
・病院のベッドでの騎乗位えっち…(笑)ご奉仕ディーノです。なんで従順かな、うちの(笑)
→抜粋文へ
★GHOST(現代)
ディーノさんに幽霊が入ってしまい願いを叶えると離れるという。
「愛を教えて」
・いつにないラブな感じでディーノさんが動揺する感じです(笑)幽霊はちょびっとしか出ません。
結局ただのいちゃつき話…なんじゃないかこれ(笑)
→抜粋文へ
★Allodola(数年後)
仕事で訪れた遠い地の同盟ファミリーの館に潜入していた恭弥と偶然出会い…
・出合った相手が問題なわけですが(笑)まぁ、伏せておかないとネタバレに…
そんな対したものではないけど(笑)結局エロメインですから。
あ、でもそれを書かないと紹介できない(笑)
→抜粋文へ
<文章一部抜粋>
★Spray
「どうせならちゃんと下も拭いて」
「…え?…あ、あぁ…わかった」
嬉々として拭いていたディーノは、次の指示には少し逡巡して戸惑うように答えながらも、頷いた。
風邪を引かないよう先にパジャマの上を着せてから、シーツを剥いでズボンを脱がせる。
タオルを絞り直してベッドに横座りすると、下着には触れぬまま足を拭き始めた。
ディーノの動きに合わせ足を浮かせたり曲げたりしつつ、太腿に触れる感触に恭弥は妙な気分になってくる。
僅かではあるが、照れた様子を見せるディーノもいけないと思う。
さっきまでは平気だった癖に、下半身は流石に恥ずかしいのだろう。恐らくは、恭弥であるがゆえに。
そんな様子を見せられてしまっては。悪戯心がむくむくと起きてくるのも、恭弥に取ってはおかしくはない。
両足を終えて、ほっとして離れようとするディーノの腕を、左手で掴んで引き止めた。
「恭弥?」
「……、まだ終わってないだろ?」
見上げて薄く笑って言う恭弥の意図に気付いて。ディーノは今度はあからさまに頬に朱を走らせた。
「で、も…それは」
「嫌とは言わせないよ」
躊躇する言葉を遮り、有無を言わせない声で続けると、ディーノは困ったように眉根を寄せる。
しかし、じ…っと見据える両の視線を逸らす事ができない。
数秒後。諦めたように小さく溜息をつくと、再びベッドに座り残っていた下着に手をかけて降ろした。
露わになるソレに視線を合わせれないのか僅かに瞼を伏せて、やんわりとタオルを当てる。
すでに何度も行為はしているものの、こんな電気がしっかりついた明るい中で見るのは初めてだろう。
男の性器などディーノとて普段見慣れているし、改めて恥ずかしがる事もないのだが。
それが他ならない恭弥のものであればこそ。逡巡する気持ちが拭えない。
平静に平静に、ただ拭くだけなんだから…。と直視しないように視線をずらしつつ下着で隠れた部分を拭きはじめる。
下腹から足の付け根、内股を終えてからふと顔を上げると。じ…っと見られている視線にぶつかり慌てて下を向く。
ここで止めればきっと先を促されるのであろう。
多分、悪戯心も含まれている相手の性格を思い意を決して、双眸を細めたまま相手自身を片手で支え、そっとタオルで撫でる。
「ん…」
敏感な急所が他人の手が触れる事に、それまで静かにしていた恭弥から吐息が漏れた。
擦れたようなそれにドキドキと脈拍が上がってしまい、ディーノは頬が上気するのを感じていた。
そんな様子をじっと眺めて居れば、妙な気分が高まってしまうのも仕方がない。
愛しい相手に触れられているソレに。しかも明らかに羞恥を見せるディーノの表情。
ディーノの手付きは決して性感を呼び起こすものではないが、視覚や気持ち的に刺激されてしまう。
ましてや恭弥に抑えるつもりなどはなく。むしろ、その後のディーノの対応が楽しみで。
感情に逆らわないで居れば、ディーノがソレを持ち上げ裏を拭いているうちに、形を変え始めてしまっていた。
思春期の身体は僅かな刺激にも元気に反応するものだ。
「…っ、きょう…や…」
直に触れていたディーノは僅かでも手の中の反応に気付いてしまい。
拭き終わるかどうかの所で硬くなり始めたソレに、困ったように目線を上げて情けない声で呼ぶ。
羞恥を含ませた表情で見上げる相手ににやり、と微笑んで見せれば。左手で困惑した顔に触れ、頬を撫でた。
「あなたの手つきの所為だよ?」
★GHOST
「……あなたは叶えてやりたいんだね?」
「だって可哀想じゃん…、それにわかったら離れてくれるって言うしさ」
「つまりは、あなたの身体をしたその幽霊を抱けって言うんでしょ?…いくらなんでも、嫌なんだけど」
「そ…、そうだよなぁ…、変わると女言葉だろうし…、気持ち悪いよなぁ…」
さっきの事を思い出しているのか気まずそうに頭を掻くディーノの的外れな言葉に、恭弥は長く息を吐いた。
気持ち悪いとかそういう問題じゃなく。あなたじゃないものを抱く気は無いと言っているのに気付いてくれないのだろうか。
そんな気持ちも露知らずディーノはくるりと振り返ると、隠れている相手に問いかけた。
「なぁ、…入れ替わらないとダメ?」
『いいえ、同化してるのでこうしてるだけで気持ちが伝わってきます。あなたがどれだけ彼を愛してるのか、わかりますもの』
「そ…、そっか…」
常から伝えてはいるものの改めてバラされるとディーノは照れ臭そうに顔を染めて俯いた。
今更、と思っては居ても。第三者から確実な気持ちを伝えられて悪い気分でもなく。恭弥の機嫌は少しだけ浮上する。
仕方ない…、いつまでも邪魔者をくっつけているわけにもいかないし、どうせこの先いつだって抱くんだから、同じ事だ。
ごねているうちに相手の気が変わられても困る。この場で言う通りにしてやってとっとと成仏して貰おう。
「……覗き見されるって事だけど、あなたはいいの?」
「…んー…、恥ずかしいけど、それで離れてくれるならと思うし。生身じゃないなら良いかなぁ…」
まぁ確かに、幽霊に恥ずかしいも何も感じていたら普段どこにだって居るかも知れない存在を気にしなくてはいけなくなる。
別段こうした存在を信じているわけでもないが。目の前に現れた現象は受け止めるたちだ。
ディーノはやる気に満ちているし。表面に出て来ないなら彼は彼であるから、恭弥も構う事はない。
しかし、普段の自分達を考えると、どう見積もっても普通の恋人同士とは思えない。
何にしろ…少しは手を加えないと納得しなさそうだな…と、恭弥はちらりとディーノを見て、腹をくくった。
「……愛を教えて…、ね。わかったよ…その代わり姿は隠してくれる?興ざめする」
『ありがとう、貴方は優しい人ね。わかりました、暫く彼の中に沈みます…』
「はは、優しいだってさ…、恭弥が」
「―――優しくするよ、いくらでも。あなたにならね…」
「……へ?」
普段を知っているディーノが揶揄るように言えば、おおよそいつもは言わないような台詞を吐いて恭弥が手を伸ばしてくる。
優しい声色と瞳に、どきり…と鼓動が揺れる。常にない穏やかな雰囲気に戸惑い、視線を固まらせた。
「どうしたの?…愛してあげるって言ってるんだ、おいでよ」
★Allodola
その深夜。さすがに誰もが寝ているであろう時間、静寂の中で携帯が振動する音が聞こえた。
ディーノは疼く体を抑える為に早めにベッドに潜っていたもののやはり深くは眠れず、机と共鳴する携帯の音に気付いて飛び起きる。
もともとその音には敏感に反応するようになっている。
直接携帯にかかる電話は、ファミリーの火急の用事かもしくは恭弥かリボーンしかあり得ないからだ。
一瞬で覚醒して携帯を開くと、何となく予想がついていたディスプレイの相手にほっと息を吐く。恭弥であるならば緊急の事態が起きたわけじゃない。
「どうした?こんなに近くに居るのに、携帯なんて…」
『こんな時間に客の部屋に行くわけにいかないからね。もしその気があるなら…、部屋を出て右に進んで、突き当りの右の階段を上っておいで。
数階上がった最上階の階段の先に扉がある、そこで待ってる』
口を挟む間もなくそこまで捲くし立てられると、通話はぷち…と切れてしまった。
訝しげにツーツー…と、終了音を鳴らす携帯を眺めるも、それが恭弥からのお誘いなら、と迷う事無くベッドから降りる。
屋敷内は全てに暖房がかかっているものの、深夜となればやはり少し肌寒い。
部屋に置いてある大判の肩掛けを持つと部屋着の上からくるまり、廊下に出て恭弥の言った通りの道筋を辿って行った。
階段はひっそりとして細く、常用で使うようなものではない事が窺える。
こんな屋敷の裏的な場所へ向かっている所を見られたら、少し問題だな…と思いつつも、恭弥が待っていると思うと向かわずには居れない。
言葉通り数階上がった先に、古びた扉があるのが見えた。
外観で見た際に屋敷の端に塔のように飛び出ている場所があったが、恐らくはそこなのだろう。
開くのかな…と、思いつつ扉に手をかけると扉は簡単に内に押されて行った。
「…来たね。あぁ…扉はちゃんと閉めて、そうすれば音が漏れる事もない」
「わか…った…」
それがどういう意図を持って言われたのか。
わかり過ぎる程、わかっていたディーノは少しだけ声を詰まらせるが、しっかりと扉を押して、念のために内鍵まで閉めた。
真っ暗な屋根裏のような部屋の窓の付近にいた恭弥は、その様子を見て口端を上げる。
そうして手を差し伸べると、ディーノは吸い込まれるように恭弥へ歩んで、広げた手の中に身体を進ませ腰に腕を回して強く抱き締めた。
さすがに物置までは暖房も効いておらず、いつから居たのか恭弥の身体はひんやりと冷えている。
自分の体温を伝えるかのように密着させて身体を擦り合わせると、どう思ったのか、腕の中からクス…と小さく笑われた。
「…やっぱり我慢出来なかった?」
「誰の所為だ…、ったく。煽るだけ煽って、半端にして行ってー…」
「ふ、…本当はシャワールームでだって止めたくはなかったよ。でもさすがに、ね。
…この部屋は物置としてしか使われていない。階下と随分距離があるし、今は深夜だ…誰にも気付かれる事はない。…さぁ、どうしたい?」
「それでもオレに言わすのかよ、お前はあ。…わかってるだろ?」
甘えるように胸に頭を摺り寄せているにも関わらず、ちらりと窺って見上げる恭弥にディーノは苦笑して、首を傾げて言う。
しかしその答えでは納得しないらしい。じ…っと見つめる視線に観念して、吐息のみで囁いた。
「――…抱いて、…恭弥、お前が欲しい…」