続きのおまけ★
(意味なし花見エッチ(爆))


後頭部に腕を回して、深く重なり合う唇を存分に貪っていた。
ちらちらと視界に入る桜が、今では心地良い。
薄いピンクの色彩が常に無い非現実の世界で、陶酔をもたらしてくれるようだ。
最初とは比べ物にならない。あなたの効果は相当なものだな。

「……ん、…恭弥…」

深いキスに、息苦しそうに身体を一旦浮かせて、擦れた声で名前を呼ぶ。
見上げればほんのりと上気した頬に、欲の片鱗が見える。
そう言う僕もきっと、同じような表情をしているのだろうけど。

息を整えようとするあなたを、僕は再び金色の髪に指を差し入れて、引き寄せようとする。
すると、ぐ…、と抵抗を感じて。僕は眉を寄せて不機嫌さを露わにした。
ディーノはそんな僕の感情を感じ取ってか、困ったように苦笑している。

「駄目だって…、これ以上してたら、その気になっちまう」
「……なったらいけない?」

困惑ぎみの表情に、しれ…と当然のように返したら。
その瞳が大きく開かれて、ぱちぱちと、瞬きした。

外だとか、まだ肌寒いとか、せっかくの花見だとか。
どうせそんなつまらない事で制止をかけようとしているのだろうが。
そんな事は僕にはどうでも良い事だ。

「誰も居ないし、いいじゃない?あなたは嫌なの?」

じ…っと、睨みつけるように強く視線を合わせて、低く言うと。
ディーノは、う゛…、と言葉をつまらせた。

予想通りの反応に、内心でほくそ笑む。
僕には理解ができなかったが。彼はこういう聞き方に弱い。
ついでにとことん、僕に甘いときてる。きっとそのうち陥落―――……

「…いや、駄目だ。やっぱり」

(……これは予想外だな)

きっぱり言うディーノに。今度は恭弥が瞠目する。
何か明確な理由があるらしい。なければ、いつもこのまま流されるんだから。

「だって、お前…気分悪そうだったし。夜風の中じゃ、身体に悪いぜ」

そうやって微苦笑する相手に。あぁ…なるほど、と納得する。
あなたの甘さが、僕の身体の心配に回ったわけか…。
(くだらない)それこそ嘲笑したい気持ちだったが、実行はしなかった。
思いの外、自分は今…機嫌が良いらしい。
おそらく、今年は諦めていたこの場所での桜を、この人の効果で楽しめているからだろう。
(だから無理矢理殴り倒すのは勘弁してあげよう)内心で考えた物騒な事は、表情には出ない。

「今は…気分が悪くないって言ったよ」
「本当に大丈夫なのか?……でもなぁ、別に戻ってからだって」
「…せっかく気分良く桜が見れるようになったんだ…、あなたと一緒に、もう少し堪能させてよ」

そう言って見上げて、口元に笑みを浮かべれば。
今度はまた予想通りに、ディーノは目を見開いて、見つめてくる。

「……本当に機嫌が良さそうだな」
「そう言ってる。…だから…、いいでしょ?」

珍しく請うように言って、僕が指で頬を撫でると。
ディーノはますます複雑な顔になって、暫く言葉を止めた後。
「……しょうがねぇなぁ…」と、笑った。

面倒な時は無理にでも手折る意思だったが。
こうやって自ら落ちてくるのを見るのも、嫌いじゃない。
とくにこんな…気分のいい夜は。

僕はもう一度両手を差し伸べて頭を引き寄せると。ゆっくりと下がってくる上体に合わせて唇を啄ばむ。
柔らかい感触を楽しむように、軽いキスを繰り返しながら。
膝を曲げて、自分を跨いでいる足の中心に当てた。

ぐり…と擦るような感触に、思わずディーノの喉がなる。
膝をやんわりと撫でつけながら、頭に添えていた指を、首筋から背中に伝わらせ。
簡単に入り込めるシャツの中に滑らせていく。

「ん…」

つつ…と、微妙な手触りで肌を撫でると、ディーノは続けられていたキスをずらして、吐息を漏らした。
体重をかけてしまわないように腕で自分を支えながら、僕の肩口に頭を寄せる。

耳元にかかる息に、擽ったさに目を細めながら、背中をさすっていた手をズボンの中に潜り込ませた。
直接触れる臀部に握力をかけると、びくん…と腰が揺れた。
逆の手を前に回して、チャックを降ろし寛げると、後ろの窮屈さがなくなり、つ…と、割れ目に指が進む。

「っ、ん…」

その感触に小さく声が漏れるが。
後ろはそれ以上は届かないためその辺りを触るだけにし、前の手を下着ごと握りこんだ。
直接の刺激にディーノの身体が震える。そのままぎゅむぎゅむ…と、揉み扱けば、柔らかかったソレが固く変化していく。

「……は…、ぁ…」
「ねぇ…、もうちょっと上に行って。届かない」

快感の中熱い息を吐くディーノに、僕は低く囁いた。
その言葉と共に後ろの手がぎゅ…と尻を掴んだのを感じて、意味を理解したらしい。
ディーノは腕を伸ばして身体を離すと、ずり…と上に移動する。
ついでに、太股の辺りまで下ろされていたズボンから、下着ごと片足を抜いていた。
恐らくは窮屈だったから脱いだだけなんだろうが。その行動に(わぉ…)と内心で笑みを浮かべる。
協力的なのは何よりだ。今は要らない手間をかけたくない気分だったから。

一連の動作の間に僕は自分の指を咥えると。
十分に唾液を纏わせて、届くようになった後ろに手を伸ばし、ぐにぐにと指先で弄る。
布から開放されて頭を擡げていた前と一緒に揉むと、息だけだったディーノの声に音がついた。

「…ぁ…、く…」

それでも控え目だった声が、つぷ…と指先を後ろに侵入させると共に高い喘ぎに変わる。
普段、想像もつかないような甘い声が脳内に染み込んで来て。
触れてもいない僕自身に、ずく…と重く響いていた。

前からの先走りを伝わらせ、狭い後ろに指を何度も行き来させて溶かしていく。
次第に大きくなる液音と一緒にあなたの声の甘さも増していって。
ぞくぞくと身体を走る感覚に、ズボンの前が窮屈になるのを感じていた。

「……ね、ぇ…。もう…大丈…夫?」

そう聞いた声が存外に擦れていて、僕は眉を寄せた。
欲情を隠せない僕の声に、ディーノの喉が鳴る音が聞こえた気がする。

返答を待っていたら。ディーノは僕の手を取って、外させた。
それから彼は膝で後ろに下がると、後ろ手に僕のズボンの前を寛げて。
すでに充分力を持っているモノを取り出す。

「ん…」

熱くなっていた自身に触れられ僕は思わず息を詰まらせた。
薄目で見上げていると。彼は、ごく…と再度唾を飲み込んで息を整え。
添えた僕のモノを後ろにあてがい、ぐぐ…と、膝を曲げていった。

「ぅ、ぁ、…ぁ、っく…」
「く…」

眉間にぎゅ…っと皺を寄せて、苦しげに呻きながら、ずぶずぶ…と熱いモノを飲み込んで行く。
無理な体勢の挿入に内部は狭く、自身に痛みさえ感じる。
僕は自分の腹の辺りに手を伸ばして、項垂れそうになっていたディーノのソレに指を絡めた。

「ぁっ…ァ…、く…、駄目だって…、それ止めろ…」
「どうして…、気持ち良くない?」
「……ッ…、イイから…、言ってんだ…。動けなくなる…だろ…!」

必死で喘ぎを殺しながら、ディーノは擦れた声でそう言うと。
腰を上げて、半ばまで入っていたソレを抜く。
そうしてまた体重をかけて。幾ばくか緩んだそこに、また沈めていった。

「ァッ…ぁ、く…、っん…」
「ん、…ずいぶん…積極、的…だね。動いてくれる…んだ?」

そうして懸命に腕を突っ張って身体を支えながら腰を動かし始めたディーノに、
僕は擦られる快感に呼吸を荒げながら、小さく笑った。
彼は薄く瞳を開けるが、言葉では答えられないらしい。
その変わりに、膝を動かして何度も抽挿をし始める。

(あぁ…、本当にイイ眺め…)

次第に快感を追い始めたのか、ディーノの表情から苦痛の色が消えていき。
甘い喘ぎを吐きながら、とろん…と、陶酔したような瞳に変わっていった。

僕は熱く息を吐きながらじ…っと見上げる。
欲に溺れるあなたの姿と、その後ろに広がる見事な桜。
くらくら…と、思考が回る。でも、決して不快感はなかった。

(……、これは癖になりそうだ)

中心から高まる快感に溺れながら、僕は擦れた息を吐いて。
夢中で腰を突き上げていた。

朦朧と視界が霞む。
でも、はっきりと二つの姿は脳裏に焼きついていく。
まるで酔っているかのような感覚を、今度はさらに深く感じていた。
はたして、酔っているのは。


妖艶に広がる満開の桜か。


それとも…、それ以上に色めき立つ。



あなたの、姿か

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2008.04.13


蛇足的な感じに…!!(笑)コメントでエロって欲しかった〜とあったので。
だだだ…っと書いて見ましたが、すみません。あんまりエロくない(笑)
これは恐らく、完全一人称にトライした所為かと思いました(笑)
あー!!!難しかった。これは駄目だ(笑)
蛇足おまけでした!お粗末さまです。