物音一つ立てず、静かに扉がスライドされる。

足音も立てずに入って来たこの応接室の主…雲雀恭弥は。
手に何やら持って、後ろ手に扉を閉めた。そして鍵をかける。
一連の動作に、やはり音は無い。

まるで空気のように戸口から移動し、恭弥は壁際の棚に近づいた。
そっと手に持った物を、腰の高さの棚の上に置く。

蓋みたいなものを横に開いて、ボタンを押すと。開いた内側の液晶が、ぱ…っと明かりを灯した。
そこには、ちょうど正面に捕えているソファが見えて。

そしてそこに横たわっている人物が映し出される。

恭弥は微妙に位置をずらし、ソファで寝ている人物の全身が入るようにすると。

ピッ…、と小さな操作音を残して棚から離れた。

残された画面の右端に現れた文字は。




●Rec